施工計画書や安全書類の作成に生成AIを使うなら、確認済みの事実を文章に整える下書き役から始めるのが現実的です。工事名だけを入れて、提出できる書類を一式作らせる使い方はおすすめしません。設計図書や現場の条件、会社・元請の指定を確認し、人が施工と安全の判断を担います。この記事では、ChatGPTなどへ渡す情報の準備から、下書きの確認までを順に説明します。
施工計画書・安全書類のどこをAIに手伝わせるか
最初に分けたいのは「何を書くかを決める仕事」と「決まった内容を文章にする仕事」です。AIを試すのは後者です。すでに確認した工事概要を短くまとめる、箇条書きの打合せ結果を文章に整える、社内で承認済みの説明を読みやすく言い換える、といった部分が候補になります。
施工方法、使用機械、管理値、現場の危険と対策は、文章が自然だから正しいとは限りません。OpenAIも、ChatGPTは事実や引用元を誤ることがあり、重要な情報は確認するよう案内しています。OpenAI公式:回答の正確性について
安全に関する書類では、現場で確認・検討した内容を記録に整える範囲から使います。AIが挙げた危険の一覧を、その現場の確認が済んだ記録として扱ってはいけません。
作業前に、様式・入力する情報・確認担当を決める
まず、今回の提出先が求める様式と記載事項を確認します。参考として、国土交通省北陸地方整備局は総合施工計画書や工事安全計画書などの記載例を公開しています。ただし、その例をすべての工事にそのまま使えるわけではありません。今回の契約や指定の書式を基準にしてください。北陸地方整備局:工事書類の簡素化・効率化のための参考資料
- 使う様式:元請・発注者の指定、社内のひな形と版を確認する。
- 渡す材料:入力を許可された工事の概要と、担当者が確認済みのメモを用意する。
- 渡さない情報:施主・作業員の個人情報、原価、未公開の図面などを不用意に含めない。
- 確認する人:文章の確認と、施工・安全上の内容の確認を誰が行うか決める。
個人情報保護委員会は、入力する個人情報の利用目的や、サービス提供者による学習への利用などを確認するよう注意喚起しています。名前を仮名にするだけで十分とは限りません。会社や取引先のルールと、使うアカウントの契約・設定を確認し、必要な部分だけを入力します。個人情報保護委員会:生成AIサービス利用の注意点
施工計画書の下書きを作る5つの手順
1.書類一式ではなく、一つの項目を選ぶ
初めてなら、工事概要など、担当者が元の資料と照合しやすい文章を選びます。いきなり施工方法や安全管理計画を丸ごと作らせると、もっともらしい補足を見分ける手間が増えます。白紙から作ることにこだわらず、今のひな形を整える方法も試してください。
2.事実と未確認の情報を分ける
元のメモを「確認済み」「未確認」「今回の対象外」に分けます。工期や数量に複数の版があるなら、先に社内で正しい資料を確認します。AIに資料同士の矛盾を見つけてもらう場合も、どちらが正しいかの決定は担当者が行います。
3.書き方と、補ってはいけない内容を伝える
次はAIへの依頼文の例です。B.I.Yの顧客の記録ではなく、使い方を示すためのひな形です。入力できる情報だけで試し、指定様式の見出しに合わせて書き換えてください。
施工計画書の「工事概要」の文章を整えてください。
以下の確認済みメモに書かれた事実だけを使ってください。
施工方法、安全対策、法令、数量などを推測で追加しないでください。
情報が足りない部分は本文に補わず、最後に「担当者への確認事項」として分けてください。
提出用の完成文ではなく、担当者が確認する下書きとして出してください。
【指定の見出し】
(今回の様式の見出しを入力)
【入力が許可された確認済みメモ】
(必要な部分だけ入力)
【今回、文章化しない項目】
(対象外を入力)
この指定をしても、AIの補完や誤りを完全には防げません。「推測しないと頼んだので確認不要」とは考えず、次の照合を行います。
4.原文と下書きを並べて確認する
AIの文章だけを読まず、元のメモと並べます。日付・数値・単位・固有名詞、実施済みと予定の区別、条件付きの内容が断定に変わっていないかを確かめます。不明な部分は詳しい担当者に戻し、確認できないまま空欄を埋めないことが大切です。
5.正式な様式に移し、確認済みの版を残す
確認後の文章を所定の書類へ反映し、図面や関連資料との整合、社内の承認手順を確認します。AIの下書きと提出版は区別して保存してください。次回は提出版を無条件に使い回さず、工事ごとに変わる項目を確認してから再利用します。
確認の手間も含めて、楽になったかを確かめる
効果は「AIが回答する速さ」では判断できません。材料を用意し、文章を直し、指定様式に移すまでの作業で比べます。これまで数日だった仕事が必ず30分になる、といった時間の約束はできません。
| 見直す項目 | 確かめること |
|---|---|
| 準備 | 入力用に資料を整理する手間が増えていないか |
| 文章の確認 | 元の資料にない説明や、条件の抜けを修正したか |
| 書式への反映 | 貼り付けや表の調整に時間がかかっていないか |
| 次回の作業 | 同じ手順を別の担当者でも使えるか |
修正が多い場合は、AIへ渡す項目を狭めるか、ひな形の整備に戻します。担当者が書いた方が早い書類まで、無理にAIへ置き換える必要はありません。
書類間の二度入力が多いなら、仕事の流れも見直す
文章を書くより、日報の数字をExcelへ移し、別の台帳にも入力する作業が負担なら、文章生成だけでは解決しにくい場合があります。入力項目の共通化やExcelの改善、市販ソフトとの連携を先に検討します。
B.I.Yは5年間の顧問経験の中で、Excel・マクロ・売上管理や仕事の仕組みづくりに関わってきました。何から整えるか、社員が使い始めるまでの手順を相談したい場合は顧問・ITサポート、日報の読み取りや帳票連携など作りたい仕組みが具体的なら業務システム開発をご覧ください。開発からの相談も可能です。
書類以外の候補も含めて考えたい方は、建設業のChatGPT活用と業務の選び方で整理しています。まずは一つの書類で、どこに手間がかかっているかを分けてみてください。
よくある質問
AIで作った施工計画書は、そのまま提出できますか?
そのままの提出は避けてください。指定の様式や設計図書、現場の条件と照らし合わせ、担当者が内容を確認・修正してから社内の承認を受けます。文章が整っていることと、施工内容が正しいことは別です。
過去の施工計画書を丸ごと読み込ませてもよいですか?
先に、会社・取引先の取り決めと利用するサービスの情報の扱いを確認してください。過去の書類には、個人情報や現場固有の条件が含まれます。最初の試行は、入力を許可された必要な部分だけを取り出して行います。
KY活動の危険や対策もAIに考えさせればよいですか?
AIの回答で現場の危険確認や安全上の判断を置き換えることはできません。実際に確認・検討した内容を読みやすく整理する補助にとどめ、現場の条件に合うかを担当者が確かめます。
書類が毎回違っても、AIを試せますか?
試せますが、最初は似た構成の書類を一種類選ぶと確認しやすくなります。書類ごとの指定事項と共通して使える文章を分け、確認・修正も含めて手間が減るかを比べてください。
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そのひと言から、LINEでご相談ください。
何を頼めばいいか、決まっていなくても大丈夫です。5年間、顧問として紙やExcelを使う現場に向き合ってきたB.I.Yが、今の仕事を伺い、合う進め方を一緒に考えます。
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