協力会社にも工程表を見てもらえたら、日程の確認は楽になりそうです。でも、社内で使う一覧には、他の工事の予定、発注単価、社内だけのメモも入っているかもしれません。「共有する画面を作る」と決める前に、その相手が何を見て、何を返せれば仕事が進むのかを分けておきたいところです。
共有は、全員に同じ画面を渡すこととは限りません。見る範囲、書き込む範囲、最後に決める人を分けると、相手が使いやすい画面と、自社で守りたい情報の両方を考えられます。今回は、協力会社向けの共有画面を新しく作るときの判断材料を整理します。以下の建築業・倉庫業の場面は説明用の仮定で、実際の顧客の運用や成果ではありません。
「協力会社が見る画面」を一種類にしない
例えば建築会社で、同じ工事に設備会社と内装会社が入るとします。両社とも現場の住所や入場時間は必要ですが、それぞれへの発注内容や単価は違います。現場全体の工程を知らせる必要があっても、全社分の発注書を一緒に開ける必要があるとは限りません。
最初に書くのは、画面の名前より、相手の仕事です。設備会社なら「自社が入る日と、直前の工程が終わったかを確かめたい」。内装会社なら「自社への依頼内容と、変更の連絡を確認したい」。その仕事に必要な項目を選びます。共通の予定を見せる部分と、各社だけが見る発注内容を、別々に考えられます。
会社ごとの区別だけでも足りない場合があります。一つの協力会社が複数の工事を担当し、現場の作業者と、その会社の事務担当者が別にいるなら、必要な情報も変わります。作業者は当日の段取り、事務担当者は自社への発注条件を確認する。見せる範囲は、会社名だけでなく、担当する工事と役割まで含めて決めます。最初から細かい設定を大量に作るのではなく、実際に利用する人の種類から始めます。
見ること、返事すること、予定を確定することは別
「相手も入力できるようにしたい」ときは、何を入力するかを分けます。例えば設備会社が自社の対応可能日を書き込めることと、全体工程を自由に変更できることは別です。対応可能日を回答として受け取り、自社の担当者が他の工事との関係を確認して予定を確定する、という設計も考えられます。
この場合、相手の画面で「回答済み」と出ても、工事日が「確定済み」とは限りません。予定案、回答、確定の区別が曖昧だと、入力できる人は増えても、どの日付で動くのかを確認する電話が残ります。画面の状態を分け、誰の確認で正式な予定になるかを示します。
確定後に日程変更が出る場面も先に見ます。変更案を出す人、影響を調整する人、変更後の日付を確定する人、連絡を受けたことを確認する人は、同じとは限りません。通知を送っただけで、相手が確認したとは言えない。重要な変更なら、画面での確認と、返事がないときの電話などの連絡方法まで決めます。どの変更まで確認を求めるかは、仕事への影響と双方の負担で選んでください。
一覧にない情報が、添付ファイルには入っていないか
二つ目は倉庫業の仮定例です。作業を頼む協力会社に、その日に扱う荷物、入庫予定時間、作業数量を知らせたいとします。社内の管理表には、他の取引先の荷物、保管料、社内の収支メモも入っています。作業に必要な行と項目だけを共有する方法を考えます。
ここで確認したいのが添付ファイルです。共有画面では保管料を隠していても、添付したExcelに全取引先の明細が残っていれば、見せる範囲を分けたことになりません。画面の一覧だけでなく、開けるPDF、Excel、写真、出力した帳票まで同じ範囲にそろえます。
読み取り専用も、万能ではありません。画面上で変更できなくても、表示された情報を写したり、保存したファイルを別の人へ渡したりすることは考えられます。渡した後に取り消しにくいものがあるからこそ、相手が仕事をするために必要な情報を選び、受け取った資料の扱いも双方で確認します。社内用の一覧を丸ごと渡してから不要な情報を探すより、外部向けに何を出すか決める方が整理しやすくなります。
「画面に出さない」と「開けない」を確かめる
開発会社には、ボタンや項目を非表示にする説明だけで終わらせないよう確認します。例えばA社の利用者が、B社の工事のURLや添付ファイルのリンクを開こうとしたとき、許可がなければデータを受け取れないか。閲覧と更新のたびに、利用者と対象の工事の関係を確かめる仕組みが必要です。
これは社長がプログラムを検査するという話ではありません。完成前の確認に「見せるべき情報が見える」と「見せてはいけない情報が開けない」の両方を入れる、という発注側の判断です。実際の仕組みや検査は開発側に確認します。利用者に必要な範囲だけを許可し、アクセスごとに許可を確認する考え方は、OWASPのアクセス権限に関する公式ガイドでも示されています。
共有アカウントを一つ配る方法では、誰が回答・変更したのかを確かめにくくなります。利用者をどう登録するか、担当が替わったら誰が連絡するか、工事が終わったらいつ利用を止めるかも決めます。終了後も帳票の確認が必要なら、確認できる期間と範囲を別に設けることを考えます。前の担当者の利用を止めても、必要な仕事の記録まで消すとは限りません。利用する権利と、会社に残す記録を分けます。
共有画面を作る前に、一件の仕事で試す
まずは一件の工事や作業について、次の四つを一枚に書いてみてください。これは画面を作るための整理例で、すべてを一律の設定にするという意味ではありません。
| 決めること | 確認する内容 |
|---|---|
| 相手と対象 | どの会社の、どの担当者が、どの工事や作業を扱うか。 |
| 見る情報 | 一覧の項目だけでなく、添付・帳票・出力する情報を含める。 |
| 返事と確定 | 相手が回答・変更できる部分と、自社が確定する部分を分ける。 |
| 変更と終了 | 変更の連絡・確認と、担当交代・工事終了後の利用停止を決める。 |
新しく作る必要があるかも、その後で判断できます。確認が少なく、情報を一方向に渡すだけなら、相手別の帳票を送り、自社の台帳に回答を残す方法で足りるかもしれません。既存の管理ソフトで同じ範囲を分けられるなら、設定と運用で対応できるかを調べます。
複数の工事が同時に動き、会社ごとに見せる内容が違い、回答と確定を毎回電話で行き来しているなら、共有画面を検討する理由がはっきりします。その際も、協力会社の担当者に一件だけ試してもらい、必要な予定を見つけ、回答し、変更後の確定内容を確認するところまで追います。登録方法やスマホでの見やすさも、現場で使えるかを左右します。相手の操作を増やすのに見合うかは、自社側の都合だけでは決められません。
今日できることと、開発を相談するときの伝え方
今、協力会社へ渡している工程表や作業指示を一つ選び、「その相手に必要な項目」と「社内だけで使う項目」に印を付けてみてください。次に、相手から欲しい返事を一つ書きます。完成後の報告なのか、対応可能日の回答なのか。これだけで、共有したいという希望が、作る画面と役割の相談に変わります。
B.I.Yには、工程表管理と発注書から請求書までの受発注、パートナー企業との共有機能を備えた建築業の業務システムを開発した実績があります。本記事の権限や確認手順は一般的な設計例で、その顧客が採用した設定を紹介しているわけではありません。作る場合は、今の帳票と相手に必要な仕事から範囲を決め、導入時の説明や運用中の改善も含めて相談します。支援と改修の範囲は契約ごとに確認します。顧問契約を先に結ばなくても、開発から直接ご相談いただけます。
埼玉県川口市を拠点とするB.I.Yの公式LINEへ、「協力会社と予定を共有したいけど、単価や他の工事は見せたくない」と一言お送りください。何を共有すれば仕事が進むか、今の帳票から一緒に整理できます。
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