得意先の商品コードを自社の番号へ変換するには、取引先ごとの呼び名・品番と、自社の商品を結び付ける対応表を先に整えます。注文書の文字が読めても、どの商品を指すかが決まらなければ受注は確定できません。ベテランの判断を少しずつ表に残し、一致しない注文だけ確認へ回す形にすると、引き継ぎの土台になります。この記事では、対応表の項目と、ExcelやAIを使う前に決めたいルールを説明します。
商品名だけで置き換えると、何が困りますか?
「いつものテープ」「白の大きい方」といった呼び名は、その取引先とのやり取りを知っている人には通じます。しかし、別の担当者が注文書だけを見ても、幅・長さ・入り数までは判断できないことがあります。略称が同じでも規格が違う品を、一つの商品にまとめないことが大切です。
品番がある場合も、番号だけで検索するのは避けます。取引先の識別番号と、その取引先の商品コードを組にするのが基本です。先頭の0や枝番も、商品を区別する情報として残してください。勝手に省略したり、似た文字へそろえたりせず、注文書の表記を確認できる状態にします。
以下は説明用の仮定例です。A社とB社が同じ「0012」という番号を使っていても、同じ商品を意味するとは限りません。B.I.Yの顧客事例ではありません。
| 取引先 | 相手の品番・呼び名 | 確認した規格・注文単位 | 自社の商品番号 |
|---|---|---|---|
| A社 | 0012・白テープ | 幅50mm、1箱10巻 | T-050-W |
| B社 | 0012・梱包テープ | 幅25mm、1巻単位 | T-025-C |
表の右端が分かるだけでは、数量の問題は解決しません。A社の「2」が2箱なのか2巻なのかを確認し、自社が巻数で管理するなら入り数も含めて扱います。商品を選ぶルールと数量を換算するルールは、別の確認点です。
対応表には、確認の根拠も残す
最初から全商品を登録する必要はありません。問い合わせが多い取引先や、担当者しか分からない品から始めます。注文を処理するたびに確認済みの対応を残し、同じ確認を繰り返さなくてよい状態を目指してください。
| 項目 | 残す目的 |
|---|---|
| 取引先の識別番号・名称 | 別会社の同じ品番と混同しない |
| 相手の品番・商品名 | 注文書に書かれた内容から探す |
| 規格・色・サイズ・注文単位 | 似た商品や入り数の違いを見分ける |
| 自社の商品番号・管理単位 | 受注先の商品一覧へ結び付ける |
| 確認した人・日付・根拠 | 誰の確認で決まったか、元のやり取りへ戻る |
| 利用開始日・終了日・確認状態 | 古い対応を新しい注文へ使わない |
根拠は、確認した注文書の保存先や、取引先からの回答日などで構いません。「前の担当者がそう言っていた」だけの対応は、確認済みの行と区別します。新商品の切り替えで同じ相手品番が再利用される場合は、古い行を消す前に、いつから新しい対応を使うのかを決めます。
過去の受注は、後から対応表を直しても当時どの商品として受けたかが分かるように残します。対応表は今後の入力を助けるものです。変更しただけで過去の伝票まで別商品へ置き換わる設計にすると、出荷や問い合わせの確認が難しくなります。
一致しない注文を、止まったままにしない
自動で決められない行は、空欄のまま流さず「確認待ち」と表示します。そのうえで、何を誰に確認するかを残します。候補が二つある状態と、対応表に一件もない状態を分けると、ベテランへ聞く内容も具体的になります。
- 未登録:取引先、相手品番、元の注文書を確認担当へ渡す
- 候補が複数:違いとなる規格や単位を確認する
- 登録済みだが注文書と違う:以前の対応をそのまま使わず保留する
- 確認できた:受注明細を確定し、再利用してよい対応だけ表へ追加する
同じ注文書の中に分かる商品と分からない商品が混ざっているなら、明細ごとに状態を持たせます。注文全体を出荷してよいかは社内のルールで判断しますが、少なくとも「どの一行が止まっているか」は一覧から見えるようにしてください。取引先への確認窓口を決めることも、別々の担当が同じ質問を送るのを防ぐ助けになります。
Excelの検索と、AIの候補出しを使い分ける
確認済みの対応表を検索する作業なら、まずExcelで試せます。XLOOKUPが使える版では、検索条件に合う行から自社の商品番号などを返せます。Microsoft公式のXLOOKUP関数の説明にある完全一致を使い、該当しない場合には「確認待ち」と分かる表示を指定する方法があります。利用できる版は、同じ公式ページで確認してください。
取引先番号と相手品番などを組み合わせた検索用の値を作り、対応表側にも同じ形で持たせます。ただし、同じ検索用の値が複数行にあると、どの行が正しいかは関数では決まりません。XLOOKUPは既定で先に見つかった一致を返すため、確認済みの有効な対応が一つになるよう点検します。
AIは、略称から候補を探すための補助として検討できます。ただし、似た商品名からの推測を、そのまま出荷する商品の確定に使わないでください。候補と元の注文内容を人が確認し、確定できた対応を表に蓄積する流れにします。文字の読み取りと、商品を選ぶ判断は別の作業です。
AIへ注文書を渡す場合は、取引先情報をそのサービスへ送ってよいか、社内で確認した範囲のデータを使います。大量の注文を渡す前に、伏せたサンプルで候補の出方を確認することもできます。まず対応表だけで解決する範囲を調べ、必要な箇所に絞って試しましょう。
表の整備から始めて、受注の流れに合わせる
担当者が少なく、受注システムへの入力も整理できているなら、対応表の共有から始められます。取引先ごとに別ファイルを配るより、どれが現在の確認済み一覧かを一つに決め、変更を受け付ける担当者を置くことが先です。
既製の販売管理ソフトを比較する場合は、得意先別の商品番号、単位、注文データの取り込み、未一致の確認が自社の流れに合うかを確かめます。「商品コードに対応」という説明だけで判断せず、同じ番号が別会社で使われる例や、品番変更の例を試してみてください。
表の持ち方や担当者の役割から整理したい場合は、顧問・ITサポートで仕事の進め方と道具を一緒に検討できます。既存の受注画面へ対応表や確認待ちの一覧をつなぎたい場合は、業務システム開発が選択肢になります。相談前には、実際に判断に迷った注文を数件選び、「誰が何を見て決めたか」を添えておくと話を進めやすくなります。
よくある質問
相手の商品コードがなく、呼び名だけの場合はどうしますか?
取引先と呼び名に加え、規格・色・入り数など、商品を区別できる情報を確認します。呼び名だけで一つに決められない注文は、候補を表示して確認へ回す方法にしてください。
対応表を直すたびに、過去の受注も変えますか?
過去の受注には、当時確定した自社の商品番号や数量を残します。対応の変更日と利用期間を管理し、過去の伝票を訂正する必要がある場合は、対応表の更新とは別に確認してください。
AIを入れれば、対応表は不要になりますか?
確認済みの対応表は、判断の根拠を共有するために役立ちます。AIが出した候補をそのまま確定させず、確認して使える対応を蓄積する進め方が考えられます。
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