倉庫の保管場所を管理するには、棚番を付けるだけでなく、「何をどこに置いたか」と「移したら誰が更新するか」をそろえる必要があります。在庫があることと、取りに行けることは別です。ベテランに聞けば分かる今の知識を、ほかの人も使える形にします。この記事では、仮置きや複数の棚への保管も含め、商品を探せる一覧の作り方を説明します。
「数はあるのに見つからない」は、場所の情報を分けて考える
在庫一覧で数量が分かっても、保管場所が「倉庫」だけでは広い現場で探す手掛かりが足りません。反対に、棚に商品名が書かれていても、移動後に表示や一覧が変わらなければ、前の場所を探し続けることになります。
まずは、誰かに場所を聞いた商品をメモしてください。決まった棚がないのか、棚はあるが一覧がないのか、仮置きした後に更新されていないのかを分けます。全部を一度に整理する前に、どの場面で情報が途切れるかを確認すると、必要な決まりが見えてきます。
- 同じ商品を、人によって違う名前で呼んでいないか。
- いつもの棚がいっぱいになったとき、別の置き場所が記録されるか。
- 担当者が休んでも、商品と保管場所の対応を確認できるか。
- 場所を変えた記録と、現在の保管場所が一致しているか。
棚番は短く、表示と一覧で同じ呼び方にする
場所の名前は、倉庫・区画・棚・段など、現場が迷わず特定できる区切りで決めます。細かければよいとは限りません。商品の置き方や確認する人に合わせ、見分ける必要があるところまで番号を付けます。
次の名称は説明用の仮定例です。「第一倉庫・A列・03棚・2段」を「1-A03-2」と表示する方法があります。ただし、この記号を初めて見た人が理解できるよう、入口の案内と棚の表示、一覧の項目名を合わせる必要があります。社内で既に通じる番号があれば、それを生かして構いません。
| 場所の種類 | 決めておくこと |
|---|---|
| 通常の棚 | 表示する番号、対象の商品、一覧での呼び方 |
| 入荷後の仮置き | 仮置き場所の番号、正式な棚へ移す担当者 |
| 出荷準備の場所 | 準備中の商品を、通常在庫とどう区別するか |
| 確認待ちの場所 | 返品や状態確認中の商品を、誰が判断して移すか |
仮置きを「例外だから記録しない」とすると、忙しい日に情報が抜けやすくなります。仮置きにも名前を付け、何が残っているかを確認できるようにします。置いてよい範囲や積み方は、倉庫の安全上の決まりを先に守り、管理表の都合だけで変更しないでください。
同じ商品が複数の場所にあるときは、行を分けて記録する
商品ごとに保管場所を一つしか書けない表では、棚がいっぱいになるたびに無理が出ます。「商品AはA棚とB棚」のように分かれる場合は、商品と保管場所の組み合わせで行を分けます。数量を管理するなら、その場所にある数量も合わせて残します。
品番、商品名、保管場所、数量と単位、確認日が基本の候補です。必要に応じて、ロットや状態を区別します。ただし、最初から使わない項目まで増やすと入力が重くなるので、出荷や確認に必要な情報から始めます。
市販ソフトにも保管場所を登録し、在庫データから選択する機能があります。zaicoの公式ヘルプでは、登録した場所の選択や、場所で絞り込む使い方が案内されています。自社用に作る前に、こうした既製品の画面で必要な情報を探せるかも確かめます。出典:zaico「保管場所」。
場所を移すときは、移動元と移動先を一組で残す
同じ倉庫の中で場所を変えるときは、商品全体の在庫が増えたわけでも、売れたわけでもありません。移動元を減らし、移動先を増やす記録を一組で扱います。現在の場所を上書きするだけでなく、いつ、誰が、何を、どこからどこへ動かしたかが分かるようにします。
以下の数字は説明用の仮定例で、導入効果を保証する数値ではありません。A棚に10個、B棚に0個ある商品を4個移す場合、A棚は10−4=6個、B棚は0+4=4個です。合計は10個のままです。場所別の数と合計を分けて確認すると、片方だけ更新した間違いを見つける手掛かりになります。
zaicoの数量移動機能でも、移動元の減少と移動先の増加を一つの操作で扱う方法が案内されています。これは同一拠点内の機能例です。別拠点への輸送中の扱いなどは、使うソフトと自社の仕事に合わせて確認します。出典:zaico「在庫データ間の数量を移動する」。
大切なのは、現物を動かす仕事と記録を離しすぎないことです。あとで事務所へまとめて伝える場合は、伝え忘れや聞き違いをどう確認するかも決めます。バーコードやスマホ入力を使う場合も、商品だけでなく移動先を確認する操作が必要です。
一つの区画で試してから、必要な道具を選ぶ
最初は一つの区画を選び、表示を付け、商品と場所の一覧を作り、移動したときに更新してみます。いつもの担当者以外が商品を探せるか、仮置きが一覧に残るか、空になった場所を更新できるかを見てください。手順が回らないまま倉庫全体に広げないことが大切です。
| 方法 | 検討しやすい状況 |
|---|---|
| Excelや共有表 | 担当者や移動が少なく、一つの一覧を更新できる |
| 市販の在庫ソフト | 場所別の数量や移動履歴など、必要な機能がそろっている |
| 個別開発 | 独自の出荷指示、帳票、他の業務データとの連携が必要 |
「誰が何を更新するか」や、今の表で改善できる範囲から考えるなら、顧問・ITサポートが相談先になります。保管場所と入出庫、出荷指示などを一つにつなぐ仕組みが必要なら、業務システム開発から直接相談できます。いずれも、今の棚の呼び方と商品一覧を用意すると、困っている場面を具体的に整理できます。
保管場所を人に聞かないと分からず、出荷時に商品を探している場合は、公式LINEへ「棚番と出荷時の商品探しを整理したい」とお送りください。今の棚の呼び方と商品一覧をもとに、共有表で足りるか、入出庫までつなぐ仕組みが必要かを整理します。
よくある質問
棚番を付けるだけで、商品が見つかるようになりますか?
棚番に加えて、どの商品をどこに置いたかの対応表と、移動したときに更新する決まりが必要です。仮置き場所も対象に含め、実際の表示と一覧で同じ呼び方を使ってください。
同じ商品が複数の棚にある場合は、どう記録しますか?
商品と保管場所の組み合わせごとに分けて記録します。数量も管理する場合は、棚ごとの数量と商品全体の数量を区別します。「ほかにもあり」と自由記入するだけでは、出荷する場所を判断しにくくなります。
バーコードやAIを先に入れた方がよいですか?
まず、商品と保管場所の名前、移動を記録するタイミングをそろえます。読み取り機能は入力を助けますが、現物を動かした人が記録しなければ、画面の場所は更新されません。決めた運用で手入力が負担になる部分から導入を検討します。
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